第10回 『こうのとり結婚&妊活塾』 東京都足立区の結婚相談所

2019年06月21日




不妊治療中に開業した中野さん。「いつ病院に行くかわからないのでパートよりも自宅で可能な独立開業を選びました」。合理的な人物である。


「アドバイス」業への疑問。相手を紹介すべきでは?


「不妊治療を経験した女性が出産後に『妊活アドバイザー』みたいな仕事を始めることがあります。セミナーの参加費1万円とか。アドバイスだけでお金をもらうのは嫌だなと私は感じます。婚活と不妊治療は似ているところがあって、若いほうが有利で、年齢を重ねてから始めると成功確率は低くなります。結局は運なのです。結婚相手の候補をちゃんと紹介するのであればフェアだと思って、結婚相談所を始めることにしました。妊活のアドバイスはもちろん無料です」

 都内の駅ビルにあるカフェで話してくれるのは、「こうのとり結婚&妊活塾」の中野りい子さん。彼女のブログには<30代後半で年下の三高イケメンと結婚、4年の妊活を経て40代で出産>とのプロフィールが書かれている。やや高飛車で強引な人物を予想しながらインタビューに向かったのだが、実際の中野さんはきさくな雰囲気の女性だった。そして、公正な人物であることが冒頭の発言から伝わってくる。

「うちは入会金も含めて5万円で婚活をスタートできます。月会費は1万円です。女性はお見合い料もありません。婚活をしても結婚できないときのリスク(金銭的コスト)は少ないほうがいいですから」

 率直な発言を連発する中野さん。自分自身も20代後半から婚活を始め、結婚相談所は2社に入り、ネット婚活も経験した。

「すごい額のお金を使って途中で病気にもなった不妊治療よりも、約10年の婚活のほうがはるかに辛かったです。不妊治療は一緒にがんばってくれる主人がいますが、婚活は一人でやらなくてはいけません。うまくいかずに独身のままだとキャリアのない私は生活面での不安が高まります。今でも婚活をしている悪夢を見ることがありますよ。目が覚めて隣に主人が寝ているのを見て、良かった~と安心します」


結婚したらすぐに使える知識とお金はあったほうがいい


 結婚前の中野さんは小さな金融会社に勤めていた。同僚の紹介で「年下の三高イケメン」の旦那さんと出会う前は、結婚相談所でお見合いした男性から両親との同居を要求されて破談になったこともある。こだわりの強い女性なのだ。

「婚活をこじらせる人は不妊治療でもこじらせます。私がそうなのでわかるんです。だから、『妥協しなさい』なんてアドバイスはしません。女性はお見合い料無料なのだからたくさんお見合いして、納得のいく相手を見つければいいと思います。子どもが欲しいならばできるだけ早く結婚することは必要ですが、結婚したらすぐに使える知識とお金もあったほうがいいと控えめに言っています。不妊治療をしてまで子どもを欲しがるのは女性のほう。治療費を相手に出してもらうのは図々しいですよね」

 中野さん自身も交際して35日後には婚約をした。「治療費は全部自分で払う」と宣言し、婚姻届を出す前から不妊治療をスタートした。複数の病院を試し、最終的には飛行機を使って神戸の病院に通院。長男を授かることに成功した。

「結婚相談所によっては35歳の女性でも若手会員の部類に入りますが、人間の妊娠能力は32歳ぐらいから落ちていくと言われています。ということは、30歳の時点で結婚相手が見つかっていないと妊活のスタートは遅れていると言えるのです。私は体力があるし、肌はキレイなほうだと思っています。若く見られることも少なくありません。でも、39歳のときに卵巣年齢を調べてみたら『閉経寸前の46歳レベル』との結果が出て、お医者さんにあきらめ顔をされました。努力をしても、30代半ば以降で子どもが産めるのは運次第なんです。妊活アドバイスだけでお金をもらうわけにはいきません。ただし、通っても無駄な病院の名前はすぐに教えてあげられます」




中野さんの家族写真。「今年3月に出産しました。産後も驚くほど体調がいいので、新規の会員さんの面談やお見合い立ち会いもできます!」


ズルいことをして恨まれたくはありません


 話を聞けば聞くほど、中野さんは「いい人」なのだと思えてくる。その感想を伝えると彼女は笑い始めた。

「私、いい人ですよ~。ズルいことをして恨まれたくはありませんから。悪い人に見えましたか? でも、大宮さんとお話しながら、仲人としての今後の方向性が見えてきた気がします!」

 子どもが欲しいという理由で婚活を始める男女は多い。真剣な交際を前提とする結婚相談所に入る層は特に当てはまるだろう。不妊治療や高齢出産に関する具体的な知識を持った中野さんが結婚相手の紹介から手がけるのは理にかなっているのだ。あとは、実は素朴で正直な人柄であることを上手に伝えること。中野さんの目指すべき「方向性」はそのへんにある気がする。(取材日:2019年6月8日)




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