第15回 『SUN SUN CALL』 東京都港区の結婚相談所

2019年09月11日




「どんな服を着て、他人からどのように見られたいのかは本人が決めること」だと主張する野上さん。個性を生かす手法で新機軸の結婚相談所を率いている


未来志向で語ると、誰と出会うべきかが見えてくる


「エンターテイメントとは人の気持ちをつかむことです。婚活とは『自分活』であり、結婚相手を探すことで自分がわかってきます。人の気持ちをつかめる自分とは何かを知ることができるのです。もしも私たちの相談所でお相手に出会えなかったとしても、外でご縁があるかもしれません。そのときに自分の魅力を大いに生かしてほしいと思っています」

 ここは東京・南青山にある芸能プロダクション。約30年の実績があり、著名な女優やモデルが在籍をしている会社だ。2019年4月から、新規事業として「もっと、エンターテイメントな婚活へ。」を掲げた結婚相談所SUN SUN CALLをスタートした。責任者の野上今日子さんは意気込みを率直に話してくれる。

 野上さん自身の前職は大手結婚相談所のサンマリエ。イベント開催の部署に所属し、大小の婚活イベントを「山のように」企画して実行した。

「婚活や結婚相談所の知識や原理原則を働きながらたくさん教えてもらいました。ただし、イベントは出会い作りだけで終わってしまいます。今度はもっと身軽な立場で目の前のお客さんのご縁を一つずつ結びたいと思うようになりました」

 サンマリエで働く前はショットバーを9年間も経営していた野上さん。さらにその前はワハハ本舗に勤務し、ある女優のマネージャーを10年間担当した。経歴を聞くだけで、他人をサポートしたり楽しませたりする仕事が好きでしょうがないのだと感じる。

 15年ぶりに芸能プロダクションの仕事に復帰し、新規事業を任された野上さん。かつて経験したマネージャー業と結婚相談所の共通点を次のように語る。

「マネージャー時代に大切にしていたのは、担当女優の話をしっかり聞くことです。現状や過去のことについてもガス抜き程度には聞きますが、私が意識していたのは未来の話題。これからどんな作品に出たいのか、誰と一緒に仕事がしたいのか。本人のためだけではなく、私のためです。これから彼女はどんな人と出会ったらいいのかを知るためのヒントになります」

 未来志向で話を聞くことは、SUN SUN CALLの会員との対話でも重視している。過去の恋愛経験から反省するよりも大切なのは「これから」の生活だ。どんな相手と出会い、どのような生活がしたいのか。具体的にイメージを膨らませて言葉にすることで良き出会いを引き寄せられる、と野上さんは信じている。

「昨日、30歳の女性会員さんと面談をしました。未来志向で話を聞いたところ、『ワクワクしてきました』と言ってくれたんです。目がキラキラしてとてもかわいかったです。そういう人はモテますよね」





SUN SUN CALLのサロン。東京・南青山の高級マンションの一室にある




「結婚=幸せ」じゃない。主体的に人生を歩んでほしい


 SUN SUN CALLの開業前後で、野上さんはある友人の婚活を手伝っていた。彼女の言葉は今でも野上さんの心に残っている。

「半年ほど活動して自分が何を大切にしたいのかがやっと見えてきたと言ってくれました。年齢的に子どもを産める最後のチャンスだからと焦っていたけれど、自分がいま大切にしたいのは結婚ではなかったと活動を通じてわかったそうです。そのときに私は、彼女の焦燥感を煽って無理に結婚させたりしなくて本当によかったと思いました。パートナーならばいつでも見つけることができます。『いつでも戻って来てね。それまで私はがんばって相談所を続けているから』と声をかけました」

 自分自身が独身でも幸せに暮らしている野上さんには信念がある。「結婚=幸せ」を押し付けるのではなく、幸せになるための一つの手段としての結婚を提供していくことだ。

「主体的に自分の人生を決めて幸せになっていただきたいと思っています。例えば、婚活のファッションは定番でなくても構いません。その点で、婚活アプリが参考になります。アプリに登録している人は、カジュアルなプロフィール写真を自由にアップして、その人らしさを出していますから。複数の人との交際が一定期間は許されるなど、結婚相談所には型として利用すべきルールもありますが、服装や人柄まで型にはめなくていいと思うのです」

 ある男性会員は、自他ともに認めるコワモテ。あまりに顔が怖いので、婚活パーティーでは誰も自分の前に座ってくれないこともあった。野上さんが面談したところ、仕事柄もあって笑顔で話すことは苦手なのだという。ならばそれを生かすべきだと野上さんは考えた。

「よく見れば、俳優の遠藤憲一さんに少し似ています。経済誌『Forbes』の表紙をイメージして、カッコいい雰囲気のプロフィール写真を撮りました。その後、彼はお見合いからの交際に進んでいます」

 サンマリエ時代から数えると6年半のキャリアがある野上さん。3年ほど前から結婚相談所の客層が大きく変わってきたことを実感している。

「職場などで出会いがないだけで、普通にコミュニケーションができる人が多いのです。特に20代30代は、サービスを利用して結婚することに抵抗がないのだと思います。IBJ(SUN SUN CALLが加入している最大手の連盟)の登録会員を見ても、すごくかわいい女の子がたくさんいたりして驚きます」

 サービスを利用することに抵抗がなくなれば、あとは「結婚への本気度が高い人が集う場で効率よく相手を探す」ことが最も合理的な判断となる。そのときに重要となるのは、主体的に自分なりの幸せをつかむことだ。過去を振り返って足踏みしたり、他人を羨んだりしている場合ではない。

 芸能界を見ても、「個性派」と呼ばれる俳優やタレントが人気を博すことが多い時代だ。彼らには固定ファンがいるために活動の息は長い。配偶者という名のたった一人のファンを見つけるための婚活にも通じるものがある。未来志向で会員と対話し、その個性を生かした幸せを見つける手伝いを志す野上さん。結婚相談所の新たな時代を切り拓くかもしれない。

(取材日:2019年8月26日)



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