第24回 『センチュリーブライダル』 愛知県名古屋市の結婚相談所

2020年07月02日




写真が苦手な小野内さんの精一杯の笑顔。後ろには孫のおもちゃが見えます


50万円で一生のパートナーが見つけられるなら安い


 名古屋市中村区に来ている。超堅実ながらもド派手な結婚式で知られる尾張地方のど真ん中である。真黒の大型高級車で駅まで迎えに来てくれたのはセンチュリーブライダル代表の小野内有知さん。はっきり言ってかなりいかつい風貌だが、正体は4人の孫を溺愛する心優しい「泣き虫」らしい。見た目とのギャップが大きすぎる……。

「インバウンドの会社をやっていたときに中国人のパートナーからアドバイスされて髭を生やし始めました。中国人は髭のある男性を信頼するそうです」

 バブル世代特有の軽やかな口調で話してくれる小野内さん。旅行関係の専門学校を卒業してからの約20年間は旅行会社で働いた。添乗員として国内外を旅する日々は楽しく、営業も苦手ではなかった。しかし、団体旅行の減少やネットの台頭により、新たな道を模索することに。38歳の時だった。

「友人が経営する医療系の会社で介護事業を一緒に立ち上げることにしました。訪問介護ステーションやホームヘルパー事業所です。10年ほど続けて軌道にのりつつあったのですが、オーナーである友人との意見が分かれて辞めることになりました」

 小さな結婚相談所の経営者には小野内さんのようなタイプが少なくない。仕事熱心ではあるけれど、雇われて働くことには向いていないのだ。顧客満足を追求するあまり、組織とぶつかってしまうこともあるのだろう。ならば、自分でやるしかない。2012年、小野内さんが結婚相談所センチュリーブライダルを設立した。

「京都の知人が20年以上も結婚相談所を続けていて、幸せな仕事だなと感じたからです。私も『仲人がしたい』と思いました。会員に寄り添い続けて、最後に一緒に涙を流す。成婚料を含めて30万~50万円ほどの料金はいただきますが、それで一生のパートナーを見つけられるならば安いものではないでしょうか」


地域で信頼されるには地道な積み重ねが必要です


 小野内さんは旅行会社時代にハネムーンを扱ったことがあり、若い人を集めてボーリング大会やスキーツアーを企画したこともあった。パーティーからの会員を集められると軽い気持ちで始めたと振り返る。

「甘かったですね。友人が2人すぐに入ってくれましたが、その他の知人に送ったDMはまったくの無反応でした。今ならば理由がわかります。結婚は人生の一大事です。(結婚相談所を)始めたばかりの人に任せようとはなかなか思わないでしょう」

 22歳で結婚した妻との間には2人の子どもがいる小野内さん。稼がなければならない。週1ペースで婚活パーティーを開催して集客を図りつつ、友人の金型会社でアルバイトをさせてもらう日々が3年間も続いた。

「2年目からはNPOも立ち上げて、親同士の出会いの場を作りました。それが結婚相談所の集客につながったこともあります。役所から声をかけてもらい、講演をしたり婚活パーティーを主催したりもできたのはNPOだったからでしょう」

 地域で信頼されるには地道な活動を積み重ねることが必要なのだ。3年目からはなんと探偵業も始める。成婚退会を控えた女性会員からの相談がきっかけだった。






看板犬のルイ君。歓迎してくれましたが、高齢のためすぐに疲れて寝てしまいました


探偵業を兼務! 気になることは確かめたほうが幸せ


「大好きな相手だけれど、心配なことが1つだけあるというのです。それは、週1日だけ電話連絡ができなくなること。相手の男性は他の結婚相談所に入っていました。しかし、先方の相談所に問い合わせても、根拠なく『大丈夫でしょう』と言われるだけ。うちの会員は不安なのに……」

 その女性は自分の判断で有名な探偵事務所に調査を依頼。すると、証拠写真すらない紙1枚で「何の問題もありませんでした」と報告され、30万円も請求された。

 疑問を持った小野内氏は愛知県内で探偵をしている先達に相談。すると、そこでは10万円程度で済むことがわかった。もちろん、きっちりと調査して証拠も提示する。

「連絡が取れなくなる曜日がわかっていて、尾行しやすかったからです。女性会員が改めて依頼したところ、素敵な事実がわかりました。その男性はボランティアで毎週、老人ホームに通っていたのです!」

 ここで思わず涙をこぼす小野内氏。感激屋なのだろう。そして、「どうしても気になることはちゃんと確かめたほうが幸せになりやすい」との確信を深め、自ら探偵業を兼務することに決めた。いわゆる身上調査である。結婚相談所としてネガティブなイメージを持たれる心配はないのだろうか。

「相手の結婚相談所から『どこまで調べるの?』と聞かれることはあります。実際のところ、結婚相談所に登録している人同士の場合はお互いの身元がはっきりしているので調査を依頼されることはほとんどありません。もし依頼されて調べるときは、相手の相談所には事前にちゃんと連絡します。それで誤解が晴れることも少なくありません」

 調査依頼が多いのは、会員が結婚相談所以外の場で出会った人との交際が進んだ場合だ。結婚に踏み切る前に、本当に独身なのか、勤務先は本当なのか、などを確認したいのは当然だろう。

 現在、会員の大半は成婚退会した人からの紹介などだ。小野内さんは徹底的に親身になり、会員に寄り添い続けて来た。その姿勢と努力が尾張地方にしっかりと根を張った結果だろう。いま、センチュリーブライダルは実りの季節を迎えている。

(取材日:2020年6月25日)




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