第3回 結婚相談所で成婚に至る人には、ある成功パターンがあるらしい。実際、成婚率を押し上げるのはどんな人?

2020年05月14日




リプレの村木さん。業界の常識にとらわれない企画を次々と実行する果敢な人です


成婚に至る人にはパターンがある。確率が高いのは、「相手を許容できる人」


 筆者(大宮)は結婚をテーマにした取材活動を長く続けている。婚活や結婚の当事者だけでなく、様々な有識者にインタビューすることもあるが、結婚相談所のカウンセラーほど婚活や結婚生活に関する現実的な知見を持っている人はいない。会員の一人ひとりと信頼関係を築き、責任を持って婚活をサポートし、成婚した人との温かい人間関係が続いているケースも少なくないからだ。だからこそ、その話はやたらに面白くて役に立つのだと思う。

 本シリーズでは、婚活をしている人になり代わって筆者が結婚相談所のカウンセラーを直撃して本音で語り合う。普通はちょっと聞きにくいことまで聞いてしまうつもりだ。第3回のテーマは、「成婚率が高くて会員数も多い結婚相談所に入会すれば私は結婚できるの?」である。

 業界のタブーともいうべきこのテーマに快く応えてくれるのは、東京・新宿を拠点に活動している「結婚相談所Repre(リプレ)」。代表の村木大介さんは「良い出会いを確約できないのにお金をもらうのは寝覚めが悪い」という理由から、入会金や月会費は無料にして、お見合い料や成婚料だけで運営している。正直すぎるというか、ちょっと変わった人だ。

 Repreの会員数は約400人。IBJ(※多くの結婚相談所が会員を共有するデータベースの一つ)にも加入しているため、会員はRepre以外の膨大な数の異性と出会うことも可能だ。村木さんによれば、成婚に至る会員の性質ははっきりした傾向がある。




――Repreだけでなく、多くの結婚相談所はIBJなどのデータベースに加入しています。出会いの数では楽天オーネットやパートナーエージェントなどの大手と比べても遜色はありませんね。成婚率はどうなんでしょうか。


 うちの2018年実績で言うと、37人の会員様が成婚退会(※結婚を前提とした交際を始めるので成婚料を支払って退会することを指す)をしました。そのうち、IBJを利用して相手を見つけたのは5人で、残りの32人(16組)は自会員同士のカップルです。

 成婚に至る会員様には大きく2つのパターンがあります。1つ目は、自分の好みのタイプや価値観がはっきりしていて、それに合う人を見つけようとするパターン。相手の外見や年齢だけでなく、仕事に対する取り組み方などを細かくチェックなさいます。当然、「良い出会い」の確率は低くなります。

 このような人が結婚するためには、IBJなどのマスデータにある膨大な数のプロフィールを見て、どんどんお見合いをする必要があります。例えは悪いかもしれませんが、ひよこをオス/メスで仕分ける作業のような感覚ですね。実際、成婚退会をしたうちの2人の男性は、月200件という上限までお見合いの申し込みをして、100人以上とお見合いをし、10人以上との仮交際を経験しました。


10人中6人は許容できる。相手も自分を気に入ってくれるなら先に進める人たち


――婚活業界では珍しくない話ですね。数をこなす体力と気力がある人が結果を出すパターンです。でも、残りの32人のほうが気になります。どんな人たちなのでしょうか。


 それが2つ目のパターンで、相手を受け入れながら親密な人間関係を築こうとする人たちです。自分にもこだわりがあっていいのです。でも、その分だけ相手の条件も許容する。「妥協」ではなく「許容」です。うちの場合、圧倒的にこちらのパターンのほうが結婚しやすいですね。平均して5人ぐらいとお見合いをして、そのうちの1人と交際からの成婚退会に至っています。

 女性会員様の場合で、2つのパターンを比較してみましょう。「妥協しない」人だとお見合いの紹介を受けても3割ぐらいの男性にしかOKを出しません。お見合いの席では、自分の価値観に合う相手なのかをさらに厳しくチェックします。

 一方で、「許容できる」人は6割とはお見合いができて、相手も自分を気に入ってくれるならば先に進もうとします。成婚の理由を聞くと「嫌じゃなかった。別れる理由がない」といった答えが返ってきます。


――「いい人なんだけどピンと来なかった」とボヤく男女も多い中で、「嫌じゃないから結婚した」という発言は輝きますね。


 ちょっと話がズレますが、大宮さんはラーメン屋で塩ラーメンを注文したのに味噌ラーメンが来たらどうしますか? 僕は文句を言ってしまいます。味噌ラーメンも嫌いじゃないけれど、そのときに塩ラーメンを食べたかった僕の気持ちを大事にしてほしい(笑)。

でも、世の中には文句を言わずに味噌ラーメンを食べてお金を払う人がいるんですね。店員の間違いを気づかなかったわけじゃありません。「指摘したら店員さんが可哀想だから」「味噌ラーメンも好きだから」という理由で黙って食べちゃう。僕も驚いているのですが、成婚するのはそういう人が意外なほど多いのです。




――そんなに柔軟性があるならば結婚相談所を利用しなくても結婚できそうです。


 いや、恋愛の経験値が少なくて、自分から積極的に動けない方もいらっしゃいます。相手から来てくれれば受け入れるけれど、フラれることを覚悟して自分からガンガンいくのは難しいと。

 交際が始まってからも同じです。本当は男性が勇気を出して動いてくれればいいのですが、お互いにジッとしてしまいます。最後は僕が背中を押して、成婚までの道筋をつけてあげる必要があります。




 以上が村木さんへのインタビュー内容だ。ひよこの選別やラーメン店の注文間違えの例えには思わず笑ってしまった。「妥協せずに数をこなす」か「許容して先に進む」か。どちらのパターンにも良し悪しがあるが、後者のほうが生きることが楽になる気がする。

 村木さんの言う通り、こちらにも譲れない条件があっていい。例えば、「今の会社には恩義があるので仕事は続けたい」「親の世話をしたいので地元を離れられない」などだ。しかし、客観的に考えてみるとどうしても譲れない条件は多くない。経験が少なくて客観的になれない場合は、村木さんのような第三者に聞き取ってもらう手もある。

 相手の「譲れない条件」も考慮に入れて、折り合いを付けながら共同生活を築く道を探っていく。それが結婚なのだ。村木さんによれば、冒頭に登場した「妥協せずに数をこなす」タイプの男性が結婚相手に選んだのは、相手を許容して先に進めるタイプの優しい女性だったらしい。いい話だと思った。




村木さんからの追伸:


 

 新型コロナウイルスの感染拡大がなかなか終息しない中、会員様からオンラインでご相談を受けて回答しています。ご好評いただいているので、2つの事例をご紹介させてください。

・成婚間近なのですが、この状況下ではお互いの両親への挨拶がしにくい。どうしたら良いか?

→親御さんは実はオンラインに興味があるかもしれないし、「対面で挨拶ができないから結婚の決断が遅れる」というのは、親御さんも望んでいないのではないでしょうか。「顔を合わせて挨拶すべき」という思い込みなしで、親御さんの意見も聞いてみたら?(結果はまだ確認中です)

・いい出会いがない。自分は求め過ぎなのか(マルを積み重ねないと気持ちが上がらないタイプの大学職員の方です)。尊敬できて、スタイル良くて、コミュニケーション上手で、知識や学のある人に出会いたい。

→理想持つのも良いし、マルを積み重ねるのも良い。ただ、その相手なら彼氏でも叶えられると思う。なぜ「結婚」にこだわるのか? その理由の中に、もうひとつ相手に求める大切な条件があるはずなので、そこに気づけば前に進めるかも。尊敬できて、スタイル良くて、話して楽しくて、学のある人なら、同僚(大学内)でもいるから、そこで楽しめば良い。

 以上です。会って話しているときは、なんとなくの空気感とテンションで話を進めてしまうことがあるのですが、オンラインで話していると「会話」に集中するので、相手が何を言いたいのかをきちんと聞くことができます。オンラインお見合いやオンラインデートの可能性を感じているところです。




大宮からの追伸:


 

 相手を許容して先に進めるタイプ(嫌じゃない相手となら結婚できるタイプ)の背中を押すと成婚に至りやすい、という村木さんのお話がとにかく印象的でした。一方で、自分の好みがはっきりしていて、何百人もの異性にお見合いの申し込みをして、大半から断られてもめげずに突き進む人もいます。僕は前者のほうに好感が持てるし、結婚生活も幸せに長続きしやすいと思うのです。

 他者を許容し、自己に固執しないこと。それは社会や人生に対する謙虚さであり、いい意味での貪欲さとも言えると思います。まだ見ぬ素晴らしい人と出会い、自分の中に眠っている良きものを引き出すためには、予想外のものを否定せずに受け入れて面白がる姿勢が必要なのです。それはオンライン婚活の時代にも変わらない真実だと僕は感じています。






リプレのカウンセリングルームがある東京・西新宿のアイランドタワー。LOVEのモニュメントが有名です




※この記事はヤフーニュース個人に掲載した「成婚率が高くて会員数も多い結婚相談所に入会すれば私は結婚できるの?~結婚相談所の現実(2)~」を加筆・修正したものです。