第44回 『ライフツリー』 東京都品川区の結婚相談所

2021年09月08日


 パートナーや家族が欲しいと思いながらも独身のまま年齢を重ねている人は少なくない。特に男性は出会いへの一歩を自ら踏み出す人は少数派だ。単に「面倒臭い」というだけでなく、「見知らぬ女性と何を話していいのかわからない」「振られて傷つくのが嫌だ」という苦手意識が先行してしまうのだと思う。

「婚活パーティーでは『壁の花』になってしまうタイプですね。結婚はしたいけれど自分なんてダメだろうな、と思っているのでしょう。でも、そんなモグラくんでもちゃんと働いている人ならば、1対1で女性と話せる結婚相談所で光る玉になれます」

 独特な表現で結婚相談所の意義を語るのは、「男性の婚活に強い結婚相談所」を掲げるLife Treeの和田充里(みつり)さん。中身は誠実で面白いのに自己アピールが下手な「モグラくん」とは対照的に、婚活パーティーで人気を博するのは女性慣れした「アグレッシブな男性たち」だ。しかし、彼らが結婚して幸せな家庭生活を続けられるとは限らない。浮気などはしないモグラくんを「光る玉」に磨いたほうが有意義だと和田さんは考えている。

「IT系や理系の人たちの中には、2人きりでお茶を飲んだ女性がお母さんと私だけという方もいます。彼らは勉強はできるけれど、恋愛の勉強をして来なかっただけなのです。素直に学んでくれたら必ず成長します」



第43回 『婚活エージェント Lokahi』 埼玉県行田市の結婚相談所

2021年06月11日


 新卒で結婚相談所に入社して同業態で独立、という経歴の人とは今のところ会ったことがない。本連載で訪問してきた人たちは主婦業を含む何らかの前職があり、その経験も生かして結婚相談所を運営している。

 埼玉県で友人の美容室内に「サロン」を構えている若林純さんの前歴は夜の世界。「水商売への営業」だ。いったい何を売っていたのか。

「業務用のカラオケです。一筋縄ではいかない方々が相手の営業なのでいろんなトラブルもありました。営業職はもともとやりたかった仕事なので精神的にも鍛えられて良かったと思っています」

 Zoom画面越しでも話しやすさが際立つ若林さん。真面目そうだけど人懐っこい雰囲気が伝わってくるのだ。カラオケの営業を3年、その前は同じ企業グループのカラオケBOXで店員をしていた。さらにその前は、夜の世界でちゃらんぽらんな生活をしていたと振り返る。

「水商売も含めていろんな仕事を転々として、女手一つで育ててくれた母親にはたくさん迷惑をかけてきました。お店を任されて経営したこともあります。でも、借金も作ってしまいました」

第42回 『婚活サロン marriage pro』 東京都新宿区の結婚相談所

2021年05月30日


 投資用不動産のアドバイスを行う会社が新規事業として結婚相談所を始めている。代表の徳永浩さんは37歳。35歳で独立するまでは、単身者向けのマンションを投資用に提案する営業マンを務めてきた。現在は、サラリーマン投資家側に立って不動産購入のアドバイスを行っている。

「不動産業は社会貢献だと私たちは思っています。東京には単身者が多いのですが、住宅に関する公的支援はありません。結婚世帯にはUR、高齢者には都営住宅などがあるのですが。一方で大企業の社宅も減っていて、東京の単身者は住宅が足りない状態が続いています。駅から徒歩10分圏内、20~25平米の鉄筋コンクリートでオートロック付きのマンションであれば、1年以上借り手が見つからないことはまずありません」

 理路整然と本業を説明してくれる徳永さん。すでに住む場所があるサラリーマンは、銀行に預金する代わりにローンを組んで物件を購入して借り手を探し、ローン返済の大半を家賃収入で賄う。例えば、2000万円で購入した物件のローンが10年後に1500万円残っていたとしても、1700万円で転売できれば約200万円の利益となる。投資家にも入居者にもメリットがあるという点で「社会貢献」なのだ。

「不動産投資はお金儲けではなく、老後も視野に入れた長期的な資産運用方法の一つだと私は考えています」

 徳永さんはこの本業と結婚相談所には似ている点があると指摘する。どういうことなのか。


第41回 『TYCフェリーチェ』 埼玉県さいたま市の結婚相談所

2021年04月27日


 自分たちは「アプリ婚」を果たしたのに結婚相談所を開業した夫妻が埼玉県にいる。山村竜也さんと明紀さんだ。マッチングアプリは確かに手軽に利用できるが、玉石混交の中を1人で活動して自分なりの「玉」を探し当てて交際して結婚にまでたどり着くのは至難の業だ。それを実感している2人だからこそ、アプリでうまくいかなかった人をサポートする場を作っている。

 竜也さんは関西出身。高校を卒業してからは映画製作の道を模索し、次いでマンガ原作者を志して25歳のときに上京した。生計を立てるために始めた清掃の仕事で2020年の春に独立。個人でハウスクリーニングを請け負っている。

「関東に来てからはずっと彼女がいませんでした。彼女がほしい、と言いながら動き出せない人がいますよね。僕はその一人でした(笑)。結婚相談所の存在は知らなかったのですが、友だちに誘われて相席居酒屋に行ったことはあります。でも、男性に食事をご馳走になりたいだけの学生さんがいたりして、女性の目的がバラバラだなと感じました」

 竜也さんがマッチングアプリを始めたのは2019年の3月。竜也さんはすぐに結婚したかったわけではないが、かといって「遊び」目的でもなかった。ちゃんと寄り添え合える恋人が欲しかったのだ。

第40回 『マリッジテラス五反田』 東京都品川区の結婚相談所

2021年03月24日


 小さな結婚相談所を訪問する本連載。今回で40回目を迎える。代表カウンセラーにできるだけ読者目線の率直な質問をぶつけて、各相談所の個性や特長を引き出しているつもりだ。

婚活中の読者に大切にしてほしいのは、「この人の話なら素直に聞けそう」という感覚だ。特にアラフォー以降の婚活は基本的に苦しいものだし、理想と現実のギャップに直面することもある。

 そのときに的確な助言と提案をしてくれるのが結婚相談所のカウンセラーだ。しかし、信頼関係がなかったらアドバイスに耳を傾けて前に進むことはできない。この連載でカウンセラーの人柄や経歴を確認しながら、自分との相性がいい相談所を探してほしいと思う。

「2012年に独立開業して半年後に再発率が高い癌が見つかりました。すぐに手術です。抗がん剤治療も2年間はかかりました。大変な経験をした分だけ、どんな方が来ても受け入れられる度量ができたとありがたく感じています」

 Zoom画面の向こう側から、熱を感じるほどポジティブで上品なエネルギーが伝わってくる。東京の五反田を拠点に結婚相談所「マリッジテラス五反田」を運営している高野洋子さんだ。

第39回 『マイウエディング』 愛知県西尾市の結婚相談所

2021年01月27日


<「面倒くさがりで動かない人」

いつも面倒を見てもらうことのほうが多い人のことです

主催や幹事をやることもない。

ギブアンドテイクでお互いさまなのに

お金も出さない自分からも動かない

有益な情報シェアもしない

ただいるだけの人いませんか?

とにかくただ単に人数が増えるだけの人。

その人がいても何の得にもならない

何ならいないほうが面倒でない人。

そういう人にはいい情報も入ってこなくなるし

最後は誘ったり声をかけたりしてもらえなくなります。

テイクだけの人とかクレクレ星人とか言われる人です>

 以上は、愛知県西尾市で結婚相談所マイウエディングを営む尾崎敦子さんによるインスタグラムhttps://www.instagram.com/mywedding_ozaki/記事の抜粋だ。記事のタイトルは「いい縁をつかむ方法」。思わず引き寄せられ、続きをもっと読みたくなる。婚活中の人だけでなく、あらゆる社会人に有用な内容だと感じた。

 尾崎さんは2020年の夏から始めたという。取材時の1月上旬の時点でフォロワー数は1万2千を超えている。芸能人でもないのに驚異的な数字であり、正真正銘の「インフルエンサー」だと言える。歯切れのいい文章だけでなく、「中部地区のグルメ情報を発信」する傍らで婚活コラムも配信するというテーマ設定が秀逸なのだと思う。

「最初は婚活を全面に出したのですが、『自分は関係ない』と見られにくくなってしまいました。そこで、老若男女が興味を持つ食をテーマにすることにしたのです」

 的確な分析と改善をにこやかに披露する50代の尾崎さん。中年女性が経営する結婚相談所には「親身さ」をアピールするイメージがあるが尾崎さんは違う。会員とは一線を引いた緊張感のある関係を保っている。幸せな結婚生活をつかむためには、尾崎さんによる客観的な指導によって自分を変えることもときには必要だからだ。「友だち関係」では実行しにくい。

「婚活の目的は単なる結婚ではありません。離婚をせず、楽しく仲のいい家庭を続けられることだと思っています。そのためには最初が肝心なのです」



第38回 『ナースのとも 良縁』 東京都渋谷区の結婚相談所

2020年12月17日


 コロナ禍が続く現在、医療関係者の苦労は計り知れない。せめて家庭生活は健康で穏やかなものであってほしい。大阪の「婚活ハナコとタロウhttps://konkatuyama.com/1/52/article」に続き、特に看護師に特化した結婚相談所がこんかつ山に登録してくれた。やはり看護師資格を持つ横山英理子さんがメインカウンセラーを務める「ナースのとも良縁」(東京)だ。

「コロナ禍での入会者はむしろ増えています。この夏は休みなしで面談をしていました。このような状況だからこそ、お互いの価値観が見えやすいのだと思います。この先、新たな感染症が出てくるかもしれません。困難な状況を一緒に乗り越えてくれる人こそ、人生のパートナーにふさわしいのです」

 確信に満ちた口調で語ってくれる横山さん。自分自身が婚活で10年間も苦労した経験がある。現在は9歳年下の夫と2人の女の子を育てる日々だ。とにかく優しく仕事にも理解がある夫なので、横山さんは会員から何時に電話がかかってきても気にせず働き続けている。とにかく仕事好きで世話焼き気質の人なのだ。



第37回 『横浜婚活サポート室』 神奈川県横浜市の結婚相談所

2020年12月04日


「婚活は結婚に至るまでの活動のこと。成婚こそが目的です。出会いだけを何度も繰り返している方は時間がもったいないな、と思います。ただし、『この人はすごくいいから早く結婚しなよ』とは言いません。結婚生活を何十年もやっていくのは本人だからです」

 斎藤まさ江さんは仲人歴40年の大ベテラン。マイペースな個人事業で、今まで230人ほどの成婚者を輩出してきたと振り返る。しかし、「カリスマ」にありがちな強引さはまったく感じられない。

生まれながらの仲人体質だという斎藤さん。学生時代に10組のカップルを誕生させ、自らも指導教授が仲人に立ってのお見合いで結婚。自分の友人を夫の友人に紹介して仲を取り持っていたら、いつの間にか結婚相談所をやっていたと振り返る。まさにナチュラルボーン仲人である。

「仲人をやりながら私自身が成長させてもらっています。最初は口うるさくダメ出しをしていました。でも、そのうちに信じて見守れるようになったのです」

 斎藤さんによれば、お見合いをしながら自らが変化して成長をしていった先に成婚がある。「成長」と「成婚」は両輪なのだ。





第36回 『ラブラブーン~LoveLaboom~』 東京都台東区の結婚相談所

2020年11月16日


 18年間のホステス経験を武器にして、「恋婚活コンサルタント」と結婚相談所を同時に営んでいる女性がいる。『彼に、思っていることを言えないでどうするの?』の著者でもある嶋かおりさんだ。

 ホステス時代も様々な男女の恋愛相談に乗り、合コンなどで恋愛成就のお手伝いをしていたという嶋さん。異性のことを知らない人が男女ともに多いと感じている。

「男性はゆるふわ系が好きで、よくしゃべる女性は好かれない、という思い込み。女性はオタクが嫌いで、お洒落にしないとダメだと信じている男性。全然違うよ、いろんな人がいるから決めつけない方がいいよ、とお伝えしています」 

 嶋さんが重視しているのは、固定観念や自己否定に縛られるのではなく、本音で話せるコミュニケーションを身に着けること。自己開示をしながら自然体で話したことが受け入れてもらえると、その相手に本当の意味でのときめきや安心感を覚えるからだ。

「誰もがモテたいので、取り繕って『外側の自分』を作ってしまいがちです。それでモテたとしても『この人は本当の私を知らずに言い寄って来ている』と感じてしまうでしょう。まずは自分の心を開くことが大事なんです。そうすれば、相手の言動が自分に響きやすくなります」





第35回 『婚活サロン 寿プロデュース』 大阪府堺市の結婚相談所

2020年11月12日


 上品な着物姿の優しそうな女性がZoom画面の向こうに座っている。大阪府堺市で寿プロデュースを運営している岩田寿子(としこ)さんは、一見すると、専業主婦として子どもを育て終えたのを機に開業したような女性だ。しかし、会話を始めるとビジネスの世界で揉まれてきたことがわかる。優しさは漂わせながらも、論理的で無駄のない話し方なのだ。

 岩田さんは16年間も地域密着の人材派遣会社で「営業職兼キャリアコンサルタント」として働いてきた実績がある。途中の2年間は、社内の新規ビジネスとして結婚相談所を開設。運営責任者として携わっていた。人と人(企業)をつなげるビジネスという点では人材派遣と結婚相談所は似ているのだ。

「ただし、結婚相談所のほうがその人の人生すべてに関わることができます。その新規事業で結婚した方々とはお付き合いが続いています。お子さんが生まれたときに報告していただいたり、夫婦げんかの相談を受けたり。退会者との関わりは収益にはなりませんが、私は自分の家族が増えるような気持がしています」

 このようなセリフを聞くと、優しさの名のもとに自分の価値観を押し付けてくるカウンセラーなのではないかと心配になるが、岩田さんの場合は無用。前職の豊かな経験によって、「お客様を選り好みしない」「希望は辛抱強くすべて聞く」「何が何でも結果を出す」ことが徹底しているのだ。